加圧浮上処理装置

加圧浮上処理装置について

排水中に汚濁成分を吸着浮上する、極微細な気泡を含む加圧水を吹き込むことで効率的に浄化するシステムです。

加圧浮上処理装置の特徴

・自動化されている為、作業者に過度な知識を求めず、ストレスのない装置になっています。
・日に一度から終日運転まで状況に合わせて稼働可能です。
・浮遊物90%前後、油分99%前後等々、非常に高レベルにまとまった除去率です。
・数トン/日から数千トン/日まで設計上での限界はほぼありません。
・工場排水から河川、湖沼まで幅広く対応可能です。
・重金属処理にも対応しています。
・放射性物質除去にも応用可能です。

1. 設置スペースの大幅な削減(コンパクト設計)

浮上分離は、沈殿分離に比べて分離速度が非常に速いため、処理槽の滞留時間を短くできます。

  • メリット: 沈殿槽の約1/3〜1/5の面積で設置可能です。工場の限られたスペースを有効活用できます。

2. 軽い汚れや油分に圧倒的に強い

比重が水に近い汚れや、水に混じった油分はなかなか沈みませんが、泡の力で強制的に浮上させるこの装置なら確実に除去できます。

  • メリット: 食品工場の動植物油、化粧品工場の界面活性剤、化学工場の微細プラスチックなどの除去に最適です。

3. 処理水(中水)の透明度が高い

微細気泡(マイクロバブル)が、目に見えないほど小さな浮遊物質(SS)まで効率よくキャッチします。

  • メリット: 後段のろ過装置や膜処理装置への負荷を軽減し、システム全体のメンテナンス周期を延ばすことができます。

4. スカム(汚れ)の含水率が低く、産廃費用を削減できる

水面に浮いた汚れ(スカム)は空気を抱き込んでいるため、沈殿した泥(汚泥)に比べて水分が少ないのが特徴です。

  • メリット: かき取った後の廃棄物のボリュームが小さくなるため、産業廃棄物としての処理コストを削減できます。

5. 起動・停止が容易で管理しやすい

沈殿法は水の流れが安定するまで時間がかかりますが、加圧浮上はポンプを動かして気泡を発生させればすぐに処理が始まります。

  • メリット: 24時間稼働でない工場や、負荷変動(汚れの量が変わる)が多い現場でも、柔軟に運用できます。

稼働による効果

1. 加圧浮上処理装置とは?

水の中に微細な空気の泡(マイクロバブル)を発生させ、水中の浮遊物(SS)、油分、有機物を泡に付着させて水面に浮かび上がらせ、強制的に除去する装置です。

  • 沈殿法との違い: 沈むのを待つ「沈殿法」に比べ、泡の力で浮かせるため、処理スピードが速く、装置がコンパクトで済みます。
  • 得意なもの: 油分、軽いゴミ、フロック(凝集した汚れ)。

2. 仕組み(メカニズム)

  1. 加圧: 処理水の一部にポンプで空気を溶かし込み、高圧状態にします。
  2. 開放: その水を常圧の槽内に一気に放出します。
  3. 浮上: 圧力が下がることで、溶けていた空気が数ミクロンの超微細気泡となって発生します。
  4. スカム除去: 気泡が汚れを抱えて水面に浮上し、「スカム(汚れの層)」を作ります。これをスキマーと呼ばれる装置でかき取ります。

3. 亜臨界水処理との「セット運用」のメリット

  • 前処理での濃縮: 亜臨界水処理は水分が多すぎると加熱効率が落ちます。加圧浮上であらかじめ汚れを濃縮(含水率を低下)させることで、エネルギー効率を大幅に向上できます。
  • 後処理での浄化: 亜臨界水で分解された後の液から、微細な炭化物や残留成分を取り除くことで、放流基準を満たすきれいな水に戻します。

1. 加圧浮上と亜臨界水の「抜群の相性」

この2つを組み合わせると、処理効率が飛躍的に向上します。

  • 前処理としての加圧浮上(濃縮): 亜臨界水処理は「水分」を加熱するため、対象物が薄い(水分が多すぎる)とエネルギー効率が悪くなります。加圧浮上でまず汚染物質をギュッと濃縮(スカム化)してから亜臨界水に入れることで、加熱エネルギーを最小限に抑えられます。
  • 後処理としての加圧浮上(浄化): 亜臨界水で分解した後の液には、微細な炭化物や難分解成分が含まれることがあります。これを加圧浮上で取り除くことで、放流可能なレベルまで水を浄化できます。

2. 放射線汚染物への効果

放射性セシウムなどが付着した汚染水やバイオマスに対し、以下の3ステップで劇的な効果を発揮します。

① 「水」を介した安全な除染

焼却のように煙を出さないため、放射性物質が空気中に飛散するリスクがありません。すべて「水」の閉鎖系システムの中で処理が完結します。

② 圧倒的な「減容化」(体積を減らす)

  • 加圧浮上で、広大な汚染水から汚染物質を数パーセントの体積の「スカム」に集約します。
  • 亜臨界水で、そのスカムや汚染バイオマス(草木など)をさらに分解・炭化させ、最終的には元の体積の1/100以下の安定した固形物に凝縮します。

③ 最終処分のコストダウン

放射性廃棄物の処分は「体積」でコストが決まります。この2つの装置を連動させることで、最終的に保管・処分すべき廃棄物の量を最小にできるため、数十年単位の管理コストを大幅に削減できます。


3. 未来への可能性

このハイブリッドシステムは、以下のような次世代の環境復元に貢献します。

  • 福島のような広域除染の定置型・移動型プラント: トラックに載るサイズの加圧浮上・亜臨界ユニットを組み合わせ、汚染地域でその場で処理し、無害な水と極少量の濃縮物だけを運び出す。
  • 高度排水リサイクル: 工場排水から油分や化学物質を抜き取り(加圧浮上)、残った難分解成分を完全にバラバラにする(亜臨界)。これにより、工業用水を100%再利用する「クローズドシステム」が現実的になります。
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